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ニュースリリース | 日本格付研究所 JCR 15d0159 1

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15- D- 0159 201 5 年 6 月 2 日

総合建設大手各社の 15/ 3 期決算の

注目点

総合建設(ゼネコン)大手各社(大成建設、大林組、清水建設、鹿島の 4 社)の 15/ 3 期決算および 16/ 3 期業績予想を踏まえ、株式会社日本格付研究所(J C R)の現況に関する認識と格付上の注目点を整理した。

1. 業界動向

国内建設市場は総じて堅調に推移している。官公庁工事では大型道路案件などの出件があり、受注は高水 準であった。民間工事でもオフィスビルや物流施設などの受注が増加している。14 年度の大手 50社の建設 工事受注総額は前年度比8. 2%増と 4 年連続で増加した(国土交通省「建設工事受注動態統計調査(大手 50 社調査)」)。発注者別では国内民間(同 4.8%増)、国内公共機関(同 22. 9%増)ともに 4年連続の増加とな った。近年減少していた国内民間製造業でも3 年ぶりに増加(同15. 0%増)した。当面、国内建設市場は底 堅く推移するとみられる。官公庁工事では防災・減災関連、インフラの老朽化対応、都市整備などの需要が 見込まれる。また、民間工事では非住宅分野の緩やかな回復が続くとみられる。

国内建設市場が堅調に推移する一方で、建設技能労働者の不足などに伴い労務需給のひっ迫が続いている。 建設技能労働者の不足は早期に解消できるものではなく、今後もこの状況が続くとみられる。東京オリンピ ック・パラリンピック関連、リニア中央新幹線などの大型プロジェクトが控えており、労務単価や資材価格 の動向が懸念される。

海外では、東南アジアなどにおいてインフラ需要が引き続き堅調である。ゼネコン各社とも中長期的な成 長の観点から、海外建設事業に取り組んでいる。ただ、現状は事業基盤の確立に注力している段階であり、 早急な収益拡大は見込みにくい。

このような状況の中、ゼネコン各社とも採算重視の受注姿勢を堅持している。今後も施工能力を勘案しつ つ、コストアップに配慮した慎重な受注活動を展開していくと予測される。

2. 決算動向

15/ 3 期の大手 4 社の建設事業受注高合計(単体)は 5.2 兆円(前期比 4.1%増)と 2 期連続の増加であっ た(図表1)。14/ 3 期は4 社ともに増加したが、15/ 3 期は鹿島を除く3 社で増加となった。事業別にみると、 建築は同0.1%減とほぼ横ばいであり、2 社で増加、2 社で減少となった。一方、土木では東京外かく環状道 路 本線トンネル工事など大型工事の受注があり同 16. 5%増と大幅に増加した。16/ 3 期の建設事業受注高合 計(単体)は 4. 7 兆円(同 9. 0%減)と減少の計画である。4 社ともに減少の計画であり、前期に大型案件を 受注した国内土木の反動減が大きく影響する見込み。国内建築も 4社ともに減少計画であり、採算重視を反 映した慎重な受注姿勢がうかがえる。

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15/ 3 期の完工総利益率(単体)は、4 社加重平均で 5. 2%(前期 5.0%)と 4 期ぶりの上昇となり、全体と して改善がみられた。会社別では 3 社で前期比上昇となり、事業別では 4 社加重平均で建築が 4.6%(同 2. 9%)と上昇、その一方土木は 7. 1%(同 11. 5%)と大幅に低下した。建築では、低採算工事が竣工に伴い 減少したことなどがその背景にある。土木では一部の海外大型工事で採算が悪化した鹿島の完工総利益率低 下などが影響した。16/ 3 期も4社加重平均で 7. 2%と改善を見込む。建築では過去に受注した低採算工事の 影響低下、採算重視の受注活動に伴う受注時採算性の改善などにより、6. 4%と 2 期連続の上昇を見込む。土 木も前期にあった海外大型工事での損失処理がなくなり、9. 6%に回復する計画である。

15/ 3 期末の財務状況をみると、利益蓄積に伴う利益剰余金およびその他有価証券評価差額金の増加など により、4 社ともに自己資本が前期末比増加した(図表 2)。15/ 3 期末の有利子負債は 3 社で前期末比減少し たが、手元流動性を勘案したネットベースでは 4 社ともに減少となった。16/ 3 期末の有利子負債は 4 社とも 横ばいないしは減少の計画となっている。15/ 3 期末の自己資本比率は、自己資本の増加などから 4 社ともに 上昇した。

3. 決算に

格付上の

注目点

15/ 3 期決算では 4 社合計の受注高、完工高とも増加となり、堅調な建設需要が反映されたものとなった。 4 社合計の営業利益は大幅増益となったが、近年悪化が続いていた完工総利益率が 4社加重平均で改善に転 じたことが大きい。このように、全体として収益は順調に推移したといえる。しかし、一部海外大型工事な どの採算悪化により減益となったゼネコンもあり、個々にみると手持工事の損失処理状況により利益面で差 が出た決算となった。

今後も完工総利益率の動向には、注意を払っていく必要があると考えている。前述の通り、手持の低採算 工事の竣工に伴う減少が進み、その影響は徐々に小さくなっている。また、各社ともに採算重視の受注活動 の徹底、施工効率の改善などに取り組んでおり、受注時採算性が改善しているもようである。しかし、リニ ア中央新幹線などの大型プロジェクトが控えており、今後の労務単価や資材価格の動向が懸念される。

受注高と採算性のバランスをとりつつ事業を展開していくことが引き続き重要と考えている。国内建設需 要は堅調に推移しているが、採算重視に加えて労務需給がひっ迫する中で難しい受注活動を強いられている。 完工総利益率とともに、受注高の計画に対する進捗状況についてもフォローしていく。

当面、国内建設市場は底堅く推移するとみられるが、中長期的な収益拡大を図っていく上で海外建設事業 の収益基盤の強化は不可欠と認識している。リスク管理体制の整備状況のほか、大型案件の受注状況や手持 工事の採算性を確認していく。

財務面においては、利益蓄積による自己資本の拡充を引き続き図る必要がある。財務面の強化は、事業展 開において多様な選択肢を保持する上で重要と考えている。

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(図表 1)総合建設大手 4 社の連結業績(建設事業受注高は単体) (単位:億円)

企業名 決算期 建設事業受注高 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益

大成建設 14/ 3 期 12, 218 15, 335 538 568 321

( 1801) 15/ 3 期 13, 937 15, 733 704 745 382

16/ 3 期(計画) 12, 300 15, 900 680 620 420

大林組 14/ 3 期 12, 095 16, 128 320 401 216

( 1802) 15/ 3 期 12, 783 17, 740 484 599 287

16/ 3 期(計画) 12, 200 17, 700 500 560 300

清水建設 14/ 3 期 13, 273 14, 976 261 293 142

( 1803) 15/ 3 期 14, 214 15, 678 500 562 334

16/ 3 期(計画) 12, 800 16, 000 630 640 410

鹿島 14/ 3 期 12, 111 15, 212 230 270 208

( 1812) 15/ 3 期 10, 824 16, 937 127 214 151

16/ 3 期(計画) 9, 800 17, 500 400 430 250

4 社合計 14/ 3 期 49, 697 61, 650 1, 348 1, 532 887

15/ 3 期 51, 758 66, 088 1, 815 2, 120 1, 154

16/ 3 期(計画) 47, 100 67, 100 2, 210 2, 250 1, 380

(図表 2)総合建設大手 4 社の連結財政状態 (単位:億円)

企業名 決算期 自己資本 有利子負債額 自己資本比率

大成建設 14/ 3 期末 3, 820 3, 165 23. 9%

( 1801) 15/ 3 期末 4, 898 2, 733 28. 2%

16/ 3 期末(計画) N/ A 2, 600 N/ A

大林組 14/ 3 期末 4, 125 4, 284 22. 7%

( 1802) 15/ 3 期末 5, 077 4, 108 25. 4%

16/ 3 期末(計画) N/ A 3, 900 N/ A

清水建設 14/ 3 期末 3, 723 3, 442 24. 6%

( 1803) 15/ 3 期末 4, 769 3, 756 28. 0%

16/ 3 期末(計画) N/ A 3, 800 以内 N/ A

鹿島 14/ 3 期末 3, 682 4, 447 20. 6%

( 1812) 15/ 3 期末 4, 349 3, 851 23. 6%

16/ 3 期末(計画) N/ A 3, 800 N/ A

(出所:図表 1、2 とも各社決算資料より J C R 作成)

【参考】

発行体:大成建設株式会社

長期発行体格付:A + 見通し:安定的

発行体:株式会社大林組

長期発行体格付:A + 見通し:安定的

発行体:清水建設株式会社

長期発行体格付:A +p 見通し:安定的

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■本件に関するお問い合わせ先

参照

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